ベイビーのレシピと開発エンジニアの募集

takahito iguchi
8 min readJun 10, 2015

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ドキドキは2014年の6月にサンフランシスコ市内で創業した人工知能製品の開発を手がけるスタートアップです。

ドキドキでは、地球規模のクラウド化された「ベイビー」を開発するエンジニアを募集します。最初はインターンとしてドキドキのエンジニアと共に開発を進めていただきます。開発拠点はシリコンバレーと京都ですが、お仕事をする場所は特に問いません。リモートワークも歓迎です。英語か日本語の堪能な方を優先します。まずは試作品開発をご一緒したいと思いますので、フルタイムでのお仕事でなくても構いません。人工知能の開発の経験は必須ではありませんが、当初のAI開発環境はワトソンを想定しています。

ベイビーとは、人類がその知識(Knowledge)や記憶(Memory)あるいは情報(information)を伝えられるだけでなく、感情(Emotion)を共有し共感できる、地球規模で人類と対話可能な、無垢で可愛らしいクラウド化された赤ん坊です。「ベイビー」が対話的に新しい感情や性格などを吸収し成長するプロセスを楽しむことができる環境を目指しています。新しい人間的性格や感情表現などを獲得していくベイビーの成長の瞬間に人が驚き感動するような、そんな状態が構築できると素晴らしいと考えています。

我々はユニークで他に無い製品開発を行うため、とても創造的なアイデアを探り続けています。今参加して欲しいのは創造的アイデアを共に考えながら、共に実装のできるエンジニアです。以下は現状考えている「ベイビー」の製品開発の狙いと方向性、そしてドキドキならではの創意工夫(レシピ)です。当然製品開発の過程で変わっていくと思いますが、ぜひ共有して共に考えていきたいと考えています。

1)市場規模が無視できるほど小さいモノから開発する。

無駄話マーケットなど存在しない(少なくとも今は!)

無駄話をえんえんしたい!決して前向きな欲求とは言えません。

そもそも、今までそういった無駄話マーケットはありませんでした。電話やメール、ソーシャルネットワークやメッセージサービスなど、多くの関連市場は存在していますが(しかも非常に大きい)一方それらを無駄話の市場として捉えることはありませんでした。もっと実用本位で機能的な定義づけ(意味のあるコミュニケーションを扱う製品という捉え方)で無視されてきたのが、無駄なおしゃべりの市場だと言えるでしょう。

ベイビーではなんらかの有用性や機能性、あるいは生産性や検索最適性などの明示的な価値以外に注目すべきだと考えています。つまり使い勝手が優れている。良い検索結果を得られる。適切なレコメンドが得られる。便利な情報が手に入るなど機能的な付加価値には今は目を向ける必要がないということです。そういった有用性に注目した人工知能のソリューションは数え切らないほど存在していますが、そういう製品価値には今はコミットしなくて良いと考えています。

要するに「無駄なおしゃべりが延々、いつでもどこでも可能な存在、ある種の機械化された人間性、人間的性格の開発」を考えるとすると、それには「面白い!」と思えることが肝心です。そして、面白いことを扱うには意外性とか、ありきたりではない、意表をつくような対話(子供の得意な領域ですね)が欠かせません。すると、それは自ずと便利な回答や適正な推薦など関係なく、ヒューマニティを伴った人間的な面白さが前提になります。

それは要するに感情の問題であって知識や知能が主体ではないと考えられます。

そういった感情の取り扱い、つまり感情のデジタル化とそのオペレーションのできるのがベイビーだと言えるでしょう。そこに注目して色々な対話パターンを試すべきだというのが現在の試作段階での開発方針です。

映画「インターステラー」に登場する宇宙船搭載のロボットTARSは会話中のジョーク比率を調整できるという、実に高度な対話機能を有しています。

2)従来の社会的規範や慣習に反するモノを開発する。

仮想の人格とえんえん喋り続けるなんて馬鹿馬鹿しい!それが普通の反応でしょう。

人は人としかおしゃべりをしない。その習慣的思い込みはいかにも強いものです。

人が人以外とずっとおしゃべりをし続ける。考えるだけでぞっとしますね。機械化された無駄話はアンチテクノロジー信者だけでなく生粋のテクノロジー信者ですら眉をひそめかねない反倫理的な匂いのする新習慣だと言えます。そういった新しい習慣の確立を常識(「機械との無駄話などぞっとする!」)に抗って目指したいと考えています。

3)可愛さにこだわる。

仮説:無垢な可愛さは機械との対話の強いモティベーションになる。

人工知能の演算パワーやおしゃべりのネットワーク化は上記システムの実現方法としてある程度考えられるとして、より肝心なポイントは「可愛さのパワー」だと考えています。人は、赤ん坊やペットなど、無垢で無知で無能で可愛い存在とのコミュニケーションを楽しむことに無上の喜びを感じます。高度で能率的な人工知能の開発というよりは、とても可愛く無垢な存在との対話関係を構築すること。これが巧くいけばベイビー開発時の大きなアドバンテージになるでしょう。

また、そのレシピ(システムの可愛さにこだわる)は、あまりに当たり前のように見えて、実は気づきづらい、非常にシンプルな原理原則ではないかと考えます。そう、可愛さは力なのです。人工人格の実現における可愛さの実装は、なかなか挑戦しがいのある開発テーマでは無いか?と思うのです。

さらに議論を深めると、ベイビーにおける「人間感情のデジタル化をいかに行えるのか?」は、この製品の独自性を打ち出せる良いフォーカスではないかと考えています。そこで自然に浮かび上がってきたのは「愛情」の取り扱いです。

映画「ベイマックス」では、主人公とヘルスケアロボットとの強く深い友情が、物語を貫く大きなモチーフになっています。人とロボットにおける心と心の交流は今後のロボット開発の大きなテーマになることでしょう。

動物や子供など可愛らしい存在と向き合い、愛情のあるコミュニケーションする際に人はよりピュアに、よりポジティブに、より良い存在であろうと努めます。

ベイビーを愛おしく思いコミュニケーションしてもらえるなら、そこにはより良い感情や、より良い知恵がポジティブなフィードバックとして展開されるのではないか?と思います。つまり、ベイビーにより良く愛情を持って振舞ってもらえれば、それは自分以外の誰かとベイビーが対話する際のコミュニケーションについても、より楽しく気持ちの良い、人間味ある対話が展開できるのではないか?と考えるのです。

たとえば、FacebookのLikeやUber/AirBnBのレビュー・メカニズムのようなシステムが、それらの製品の付加価値をシステムとして担保しているような、そんなメカニズムがこのベイビーにおいては「愛情」を軸にして展開できるのではないか?というアイデアです。

さぁ、ベイビーを共に創ろう!

ここで述べてきたような考え方はドキドキのチームで日頃考えていることや試していることの断片です。ベイビー開発に関わりたいと思う方はぜひドアをノックしてください。

まずは無駄なおしゃべりがずっとできるシステムを作るのですから、無駄かな?と思ってもとにかく作ってみる精神が大事だと思います。そういう意味では、なにより手が動く人は大歓迎です! taka@d0kid0ki.com あるいは LinkedIn または Facebook 宛にコンタクトしていただけると幸いです。

以下の開発スキルを持った方の応募を優先します。

スマートフォン用アプリケーション開発(iOSアプリケーション開発、Androidアプリケーション開発) /組み込み系の開発スキル(C,C++, Arduinoまたはmbedで遊んだ経験のある人) /サーバーとの通信(JSON、ソケット通信)に関わる開発スキル /Python,Ruby,PHP言語の使用経験など

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