Amazon Echo Show は大いに売れる。(でもそれはとっても地味に見える)
Amazon Echo Showには大ヒットの予感しかない。
最初、「?」と思ったこと。つまり、今更なぜスマートスピーカーに画面をつけるの?と感じたのは見事に裏切られ、もはや画面のあることが当然とも言える使い勝手の良さ。そして、優れたスクリーンと(音声を主体とした)、とてもよく練り込まれたユーザーインターフェイス。スピーカーの音質も向上しているし、設置した際の安定感もとても好感。
そして、それらの好ましく感じるチャーミングポイントは、総てまったくクールじゃない、ダサいボディデザインのお陰とも言える。
あの不格好で所有欲を全く喚起しないかっこ悪いデザイン。
また、声のみのユーザーインターフェイスにフォーカスしたミニマリスト的なエコーの簡潔さを考えると、 "too much" とも言える豪華なスクリーン設定。しかも、スムースにタッチ操作できるだけでなく操作性も十分に練られている。ただそれが却って「あれ?エコーって何だったっけ?」的な混乱をもたらす(対話スピーカーだったはずだよね?)。
でも、それはおそらく、大きな勘違いなのだろう..。
Amazonらしい「顧客は常に正しい( “The customer is always right.” — Harry Gordon Selfridge )」というスタンスによる、非常に合理的な判断によるものと思える。
そう、基本的に Amazon Echo Show は「かっこ悪い!」、「クールさのかけらもない」「ハイテク製品ですらない」「家庭用の、投資対効果の優れている、使い勝手の良い」ホームアプライアンスなのだ。かつてミレニアム以前大いに騒がれたいわゆるネットワークPCの完成形とも言える。だから、テック系メディアの反響は、まるで華々しくなく話題も盛り上がりに欠ける。
既発表のスキル数(スマホでいうApp)の多さや販売台数の予測は華々しくはあるのだけど、でもアップルやグーグルの新ハードウェア製品がもたらす、あのインパクトは皆無なのだ。
Amazon Echo Show は、とにかく、ひたすら「かっこ悪い!」
でも、きっと、だからこそAmazon Echo Showは大きな成功を収めると思う。
イノベーター層がハイテク興味で牽引する従来の製品の売れ方とは異なるプロセスで、大いに売れると思う。
そしてHAL 9000やHerの世界観に描かれてきたロボティクスと人間の共生状態は、ある意味無血革命的な、穏やかなプロセスによって速やかに進行していくだろう。そして2017年は凡ゆる意味で大きなターニングポイントだった年として、将来記憶されるに違いない。