Clubhouse Stand.fm Dabelの違い
音声系アプリの未来像について考える。
簡単に言うと Stand.fmはソーシャルなラジオ。で、Clubhouse Appはソーシャルな電話で Dabelはソーシャルなラジオ電話。そう言う感じかな?と…。
ラジオの民主化は、例えば米国だと十年前のPodcastingを皮切りに、最近だとSpotifyがAnchorを買収。さらにSpoon Radioが米国でも徐々に盛り上がりを見せつつあります(中国は市場規模がもっと拡張していますし IPO案件も続々出ています)。
ですので、日本は米国どころか中国勢にも完全に出遅れています。
ニコ生なども中国勢に比べると規模的に全く太刀打ちできていないので、やはり、日本語に閉じてしまっている弊害もあると感じます...。
そしてClubhouseはソーシャルラジオというよりはソーシャル電話ではないかな?と思います。
それが理由に、Clubhouseはそもそもアーカイブを保存したりそれを楽しんだりする機能は(現状は)無いらしく、もし本気でソーシャルな電話を極めるのならアーカイブを残さないほうが製品として良い可能性もあるので、ラジオ的音声メディアと Clubhouseとは別軸で見るべきではないか?と思ってます…。
この領域でも日本は米国と中国に遅れており、それは比較的オープンに楽しめる音声チャット文化が盛んな米中のプレイヤーに対して、彼我の文化的なギャップもあるのかな?と思っていました。もちろん COVID-19以降はそれも大きく変わったとは思いますが。
要するに、公共の場で大声で話せるかどうか? の文化的ギャップですね…。
そしてDabelはちょうどその間、ソーシャルラジオとソーシャル電話の間にあるアプリなので、配信可能な電話(雑談を配信できる)」という新しい領域を狙っています。
Clubhouseも製品的にかなり近いのですが、アーカイブ性や音声メディア性よりは自然で後腐れのないソーシャル通話の領域を狙うのだとすれば、Clubhouseは”配信”というよりも”公開通話”というほうがしっくり来る気がしますし、その狙いどころはかなり良い狙いどころだと思います。
そして、そこが Dabel.app と Clubhouseのとても大きな違いです…。
Stand.fm のUIUXは世界トップクラス…
だと思いますので、Stand.fmが本気で世界に出れば、少なくともAnchorには欠けているソーシャルな体験性を補った新しいソーシャルラジオ製品として全米でも受ける可能性がある!と、強く感じます。
Stand.fm ではそのデザイン性の高さが音声メディアの体験価値を否応なく押し上げています。逆に世界マーケットを取れないと、どうしても日本語の壁があるので、音声メディアとしてはやがて(市場スケール的に)頭打ちするのではないか?と…。
そこは今後の課題とは言え、その体験性の高さはますます磨かれていると感じます。
Clubhouse 成功の可否は、
VCカルチャーに代表されるベイエリアの文化を超えて(本当に)世界に広がるかどうか?ではないかと思います。今はまだテック系投資家が中心のユーザー層ですので、Clubhouseとしてはそれを乗り越えていく普及の壁があります。
かつてVCのバックアップで強大な勢力を誇った多くのソーシャルアプリが死滅しています(Secret や Yik Yak、HQ Trivia など 枚挙にいとまがありません)。その壁を超えてユーザーベースの獲得と維持にまで至れるのか?のチャレンジが、Clubhouse の今後の大きなポイントだと思います。
Dabel.app 成功の可否は、
Dabel.app は現在米国ではブラインドコミュニティの強い支持を受けていますし、日本では今後多動性(ADHD)の方々の支持を受けられるかも知れません。
そのようなニッチ戦略は時間もかかりますし、一見戦略としては非効率に見えます。ですので、インベスター陣と共にそのようなニッチ戦略を本気でやり抜けるのか? それが Dabel.appの今後の大きな課題だと考えます。
本質で繋がれるユーザーコミュニティの成長発展に賭けられるのか?
これが、ファウンダーとして Dabel.app 成長に於ける最大の課題です。声で繋がる音声ソーシャル Dabel.app をぜひお試しください。 今月末にも「多動フェス」という”多動な”人向けのオンラインイベントを開催予定です。