エコーの時代の始まり

takahito iguchi
5 min readSep 29, 2017

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なぜ現在は「エコーの時代」の始まりなのか?それは図にするとこういうことです。

アップルIIからiPod、iPhoneに至るコンピュータ操作の歴史的流れ、それはあの偉大なグーグルグラスでさえ「指で操作して、目で確認する」ものでした。

そしてエコーが実現しつつある操作系は「声で操作して、声(または目)で確認する」ものです。

その圧倒的違いはディスプレイとキーボード、またはマウスやタッチパネルなどの操作系と直接的に接触する必要なく、しかもデバイスと利用者の関係が一対一であることも求められない。

場合によっては複数のエコーが一人の人と対話する場合もあるし、一台のエコーが複数の人達と対話する場合もあり得る操作系です。

距離の超越(10m程度ですが).. エコーに慣れると気づくことですがエコーとユーザーの間の距離は相当遠くてもちゃんと対話が可能なように作られています。

そして話す形式のインターフェイスの良さは基本ハンズフリーであること。だけでなくベッドに入っていても、どういう体勢であっても、自由にやり取りできます。

たとえスマートフォンが高性能になり、ユーザーインターフェイスが改善されたとしても、それを持つことや触ることは避けられません。パーソナルコンピュータやタブレットであれば、持つ以外に支えることが必要ですし、それなりに場所や空間もとります。

それに対してエコーの場合その存在そのものが消え去ります。どのあたりにエコーがあるのか?は意識するのですが、その方向に向かって話しかけるだけなので、それを持つとか支えるとか、触ることは一切不要です。

これは言葉にするとさりげないことですが現実にはとても大きなイノベーションです。物理的なコンピュータと物理的な接点を持たずとも、自在にコンピュータを操作できる社会。これはもうSF的な未来なのです。

エコーの実現に於いては、その応答速度を極限まで切り詰めるという大きな課題があったそうですが、10メートルくらいの距離でも相当正確、かつ迅速に応答してくれるインテリジェントなエコーの操作感覚は抜群です。

そして、まだまだ音楽とニュース、アラームなど限られたユースケースながら、すぐに一億台インストールを超えるインストールベースに至るという今の趨勢をみる限りは、この自由さ、柔軟な使い勝手は、既に大いに支持されていると言えます。

当然そのインストールベースとユーザーベースが増大すればするほど利用データが蓄積され、エコーのアプリケーションは増大していきますから、もう我々はこの効率的な操作性からは逃れられなくなるだろうと思います。

エコーの時代というのは、アップルII以降、ほぼ30年以上に渡るユーザーインターフェイス変革の大きな流れをそのまま(声によって)継承するものです。

しかもコンピューター好きやテクノロジスト以外にこそ好意的に受け入れられている、非常に間口の広いインターフェイスであるということが実にユニークだと思います。

従来はハイテク好きが牽引をして来たデバイス刷新の歴史が、今まさに塗り替えられつつあります。

目と指の時代が長かった事は、却ってこの世界観に馴染めない囚われを生んでいる。一方この操作系に最初から馴染んでいる人達にとってはスクリーンとキーボードから始まった(スマートフォンを含む)コンピュータ操作系を使う事は苦痛を伴う、非常に不便なものになるだろうと思われます。

でも、その変化はすぐに起こるでしょう。それは単に時間の問題だと思います(音声エージェントが人の気分や文脈を察してしかるべき行動をしてくれる操作系は、おそらく非常に効率的で、より簡単なものへとますます進化を遂げると思います!)。エコーの時代はもう始まっているのです。

現在提供中のボールはアマゾンエコーなどスマートスピーカーへの対応を鋭意進めています。音声のコミュニケーションとシェアリングを是非先取りしてお楽しみください。

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Written by takahito iguchi

Tonchidot & Telepathy & DOKI DOKI!!

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