トランスペアレントはデジタル時代のホワイトボードだ(きっと)。
「紙は脳を投影するインターフェースだ」と言ったのは、かの未来学者のポールサッフォー氏です。
そして最初に初代マッキントッシュを触った時の衝撃とは、その真っ白な"ウィンドウ"そのものでした。まさにデジタルな「紙」が、自由自在に好きなだけ扱える(テキストやグラフィックだけでなく、どんなメディアでも扱うことが出来る紙)。その創造性の爆発する感覚に脳天がクラクラするような衝撃を覚えました。
人は道具を発明しますが、道具はそれを通じて人を発明し直します(道具を産み出した人間の生活様式や文明自体が、その道具によって大きく書き換わることを指します)。人と道具の間にはそういった独特の関係、相互作用があります。
我々はパーソナルコンピュータやインターネットが存在しなかった時代をもはや想像しづらいのですが、新聞や雑誌、無線や電話、ラジオやテレビなどの発明の前後においても、同じようにその発明品の登場が我々の生活様式や文明自体を大きく書き換えたことを存外忘れがちです。
1984年に生まれたマッキントッシュのデジタルな「紙」=「ウィンドウ」はその後のあらゆるパーソナルコンピュータの生み出す価値="我々の創造性を育むメディア"を不可逆的に書き換えたのでした。
トランスペアレントとは人と人の間の相互理解を「コミュニケーションの可視化」で瞬時に可能にするテクノロジーの実現を目指しスタートした、とても野心的なプロジェクトです。
あらゆる会話が可視化されたなら相当多くのカルチャーギャップを乗り越え、人と人の相互理解(異文化理解に限らず、プライベートでもビジネスでも非常に多様な場面での相互理解の促進を可能にするでしょう)が実現する!そう感じて昨年末に製品開発を開始しました。
その後のSXSW 2018 トレードショーでのプロトタイプのローンチを経て「コミュニケーションの可視化はパーソナルユースに限らずビジネスミーティングの可視化に於いても大いに需要がある。その需要をしっかり掬い上げる事で、非常にリアルに日々のユースケースをカタチ作ることが出来る!」ことに気づきました。
そこからこの6月のアルファー版のローンチに漕ぎ着けるのですが、ビジネスミーティングに於ける利用価値の手応えに、ますます大きな可能性を感じ取ることが出来ました。
そして、その手応え感をどうやって具体的なサービスやファンクションへと組み上げていくのか?その実装アイデアがかなりクリアーになってきたので、それをしっかりと表現したいと思い、このエントリーを書いています。
そのアイデアの核心は「ミーティングのプロセスとアウトプットの即時的なビジュアル化が、いかに創造的なチーム作りや、その後のアクションに貢献できるのか?」に集約できると思います。
トランスペアレントは、そのリアルタイムのコミュニケーションの可視化(インプットの可視化)だけでなくその成果、ミーティング資料のアウトプットに於いても価値貢献できる。つまり「デジタルなホワイトボード」の提供を通じて、
1)より高いチームメンバーのコミットを引き出し、
2)アイデア全体を俯瞰的に見通すことを可能にし、
3)より記憶に留まるビジュアルなアイデアの共有を可能にする。
これらの価値を届けることが出来る。そして、そのデジタルな「ビジュアルミーティング空間」を実現することで、より大きな飛躍を遂げたいと考えています。
使用するデバイスの違いや作業環境のオンラインオフラインの如何を問わず、あらゆるミーティングのビジュアル化を即時行う事で、より創造性の高いコミットメントや共感の得やすいミーティングを可能にする。
つまり、アイデア形成のプロセスとそのアウトプットの可視化を行う事によってメンバーのミーティングへの参加性を高められるだけでなく、そのあとの行動をよりアクティブに出来る。これを製品価値として中心に捉えて開発を進めます。
ビジュアルミーティング空間をデジタルなツールとして提供すること。
1984年にマッキントッシュがもたらした真っ白なウィンドウ。そこから実に多種多様な発明が生まれました。インターネットやスマートフォンなども、それに含まれると言えるでしょう。
そして、その歴史を受けて2018年のトランスペアレントがいかにその独自のホワイトボードを実現し、創造的ミーティングが実施される新しい現場(ビジュアルミーティング空間)として提供できるのか?その狙いと方法論を出来るだけ明らかにしたいと思います。そして、ビジュアルミーティングとは一体何なのか?そして、それをデジタル化することのメリットはいったい何なのか?もっと掘り下げてお伝えしたいと思います。