「会議」を可視化するって?
「会議」と聴いて、心がウキウキする人?きっといないですよね。
「会議」という言葉からイノベーションとか革新的なアイデアや先進的なプロジェクトのイメージが湧く人?きっとあまりいないと思うんです。
でも、ほとんどの仕事はチームで為されます。チームで最大限、創造的な状態を定常化し、呼吸するかのように生産的なプロセスを進めていくのだとすれば、きっと「会議」というツールは必要不可欠です。
あるいは、それは避けることが出来ないだけでなく、もしも効果的に用いることが出来たらあらゆるプロジェクトが見違えるようにクリエーティブで、参加性や共感性の高いものに変化することが容易に想像できます。
トランスペアレントはコミュニケーションのリアルタイムな可視化を志して開発された製品なのですが、これを効果的に発展させることで「会議」のプロセスとアウトプットを飛躍的に進化させることが出来る!と、確信することが出来ました。
その気づきは「ビジュアルミーティング」という30年ほど前にシリコンバレーで生まれた方法論がトランスペアレントのコミュニケーション可視化の方法論と非常に似通っていることに気づいたからでした。ここでは、そのビジュアルミーティングの基本的なアイデアをお伝えしたいと思います。題して「会議を可視化するってどう言うこと?」です。
ビジュアル言語
言葉だけでアイデアが伝わらないとき、イラストや写真などを同時に用いること、これは日常的に現実我々が良くやっていることです。
こんな形のクルマ!とか、こんな感じの可愛いワンちゃん!とか、あるいは抽象的なイメージとか、もっと具体的な事物でも言葉だけでは表現できない場合のビジュアル要素も含めた伝達ツール。これらをビジュアルミーティングではビジュアル言語と呼びます。そして、ビジュアル言語を見ながら話を理解することをビジュアルリスニングと呼びます。
インタラクティブメディア
ホワイトボードにポストイットを張り出してあれこれ並び替えたり、グルーピングして関係性を発見したり、矢印やその他の記号でアイデアを見える化するなど、ワークショップやアイデアソンなどでは当たり前になってきた方法ですが、これはビジュアルミーティングの方法論が元になっています。
実際、発言をホワイトボードに書き出してそれをその場であれこれ書き直したり、どんどん変化させていくことは、アイデアの生成の大きなテコになります。
フレームワーク
アイデアを効果的なフレームワーク(あるいはテンプレートと呼んだり、ワークシートと呼んだりします)アウトプットすることで会議の参加者がアイデア全体をより視覚的に捉えられます。
全体像を捉えやすい視覚資料は、そこから更に新たなアイデアを見出したり、より具体的にプランニングを進めていくためのツールとして、非常にパワフルです。
例えば、ソフトウェアデザインの際のストーリーボードなどもその一つです。
例えばある製品を利用しているイメージを想像して「良いな!」と思う利用シーンを現実の製品に盛り込もうとした時に、言葉だけの打ち合わせとビジュアル要素を活用した、視覚的な共有のできる打ち合わせではまるで生産性が違ってきます。
では、ビジュアルミーティングを取り入れる具体的効果は何なのか?と言うと、先ずは、
1)参加意識の向上
ビジュアル言語として自らのアイデアが可視化されて、誰もが簡単に理解できるようになる。これは参加者誰しもが、よりコミットしている感覚を得られる良い状態と言えます。
「ひいては「物事の捉え方」や「価値観」に目を向け、それらを紐解いて理解(デビッドシベット著作 ビジュアル・ミーティングより」していくプロセスに参加できることが、楽しくない筈はありません(そこでまったく楽しくなれないとすると会議以前にもっと解決すべき課題がありそうです)。
自分のアイデアが伝えやすくなるとは同時に他参加者のアイデアの理解も容易になっていることを意味しますから、アイデアのビジュアル化を行う効果の大きさは十分に想像できます。
2)全体を俯瞰してみることが出来る
ビジュアル言語をインタラクティブに扱うことでアウトプットされたアイデアを比較検討し、そこに隠れた規則性やパターンを見いだすことが容易になります。
そうすると、より広い視野に立った全体像を俯瞰しての議論を展開しやすくなる筈です。結果、「参加者の思考のレベルが向上するのです(同じくビジュアル・ミーティングより)」
3)記憶がチームで共有化できる
会議のアイデア共有と検討のプロセスで出てきたアイデアを良いフレームワークやテンプレートに落とし込めれば「参加者の記憶として定着します。記憶が定着することで、課題が強く意識されるようになり実行が促進されます(同じくビジュアル・ミーティングより)」
なんだか、とっても良いことばかり!です。
会議が退屈なただの報告会や、または単なる上意下達の場に終わることなく、アイデアがアイデアを呼び込んで全ての参加者が創造性を発揮でき、それらのアイデアがよりよく整理され、理解しやすく資料化されて、その結果具体的実践においてもパワフルに用いられる。これが瞬時に解決できたら実に素晴らしい!
ですが、現実のビジュアルミーティングには幾つもの大きな「課題」が有りました。次のエントリーでは、それを考えてみたいと思います。