声がインターネット主戦場になる日。
なぜ声なのか?
まず、音声がナゼ大事なのか?というと、人がそもそも、声を通じてコミュニケーションする方法に慣れ親しんでおり、多くのコミュニケーションはいまだに声を通じたものだから。
では、なぜ音声が今まで大事と思われてこなかったのか?と言うと、それを自然に実用レベルでサービス提供することのできる製品が、今まで出来ていなかったから。
つまり、音声認識や音声合成以外に、対話プロセスを支える人工知能や、それを提供することで価値を感じられるシチュエーション設計、または、そのシチュエーションを実現するためのフロントデバイス等の周辺環境が十分には成熟していなかった。
Siriがアップル社に買収されたのは2010年4月28日。
Amazon Alexaがリリースされたのが2014年11月。
アップルは本当に早かった、が、アマゾンの追い上げこそ神がかっていると言えるかもしれない。
まだまだ、音声を通じたインターネットアクセスの歴史は浅い。
でも、その一方で音声というニュアンスが豊かで、ストレスの少ないインターフェイスの可能性は、今となっては明快だ…。
それを通じたコミュニケーションを無視しては今後のコンピューティングは成り立たないだろう。
そういった意味ではスティーブ・ジョブズの慧眼は改めて凄いしと言えるし、ジェフベゾスの視点・視野は、相変わらず大きく開かれていると言える。
そして、そのインフラ化は2017年にますます本格化する。
声はインフラになる。
日本から、こういった分野で、コンシューマーに届けられる全世界的プラットフォームを創造しなくてはならない。
でない限りは、旧来と相変わらず、ただただデータとAPIの降りてくるのを口を開けて待っている他無くなってしまう。
VRにしろARにしろ音声による対話インターフェイスは欠かせないだろうし、それはIoTにしろ、ドローンにしろコネクテッド・カーにしろ同じことなのだ。
声は今やインフラになろうとしている…。
一方、まだまだ、声の可能性は拓かれてはいない。
スナップチャットコピーみたいな製品を今からおっとり刀で追いかけ作るとかではなく(もう既に三年遅れてしまっている!)、今迄にない新しい体験やインタラクションこそを作ろう!
それはデバイスの開発だけではなく、声に対応したあらゆるコンシューマー向けサービスとして考えうるのだ。
アレクサとエコーが声による音楽体験を起点にしたのは卓越した、手堅い見込みと目論見(将来性に賭ける視点の広さ)を感じるのだけど、それだけが声の活躍する現場だとは言えないのだ。
声はあらゆる場面で、多様なソリューションに用いられていることを忘れてはならない…。
それは普段日常で何気なく用いられている。そして、その全てがコンピューティングの対象になった時代に我々は生きているのだ。