引き算のマーケティング
今進めている、音声系コミュニケーションアプリ(ベイビー)のマーケティングに関して思うところを簡単にメモにしてみました。
・新しい製品の初期アイデアは非常に脆弱で脆い。否定すべき根拠は幾数万とあり、それを拒絶するユーザーは過半数どころか大半だと言える。
・それはポケモン初期導入時の育成方法にも似ている。不得手を改善改良するというよりは得意を伸ばして、良い所を価値基準にして、それが生きるべき領域を探るという方法がまずは適している。
・それを使わない人、使いたくない人を、使う人、使いたくなる人にするのは不可能なので、使う人、使いたくなる人を相手にするべき。
・そのうえでそれらの利用意向を持つ人達の利用シチュエーションや利用価値を明確化・可視化し、それを製品メッセージングや普及に費やすべき場所や時間軸に展開する方が良い。
・利用意向を持つ人は、いったいどういう生活スタイルなのか?どういうメディア消費なのか?どういうコミュニケーションを日々行っているのか?どういう趣味・趣向なのか?何にピンとくるのか?どういう価値観を持って生きているのか?それを明らかにすることで、製品普及を行うべき場所や時間帯、届けるべきメッセージが明確化してくる。
・機能や性能からは製品価値は見えてこない。ユースケースはそのユースケースに至る人の痛みやプロブレム(課題・問題)が根拠になる。それを痛感し、それを解決することに賛同してくれる人が求めるべきユーザーだといえる。
・それは簡単に見えてこないし、ユーザーからはっきり言ってくれるワケではない。だが、様々なコミュニティやメディアを通じて対話をすることで徐々に見えてくるし、可視化されることでますますそのフォーカスが明らかになる。
・届けるべきユーザーにしかるべき場所やメッセージを通じて届けることは製品仮設=その製品が解決しようとしている課題を共有できる、共感者=仲間を見出すことに他ならない。
・コミュニケーション製品は、もしその共感者=仲間を見いだせればそこからある意味自動的、自然発生的に伝播していくものだから、そこから大きなネットワーク効果が働く。
・もし、そこまで至れれば凄く小さなインタラクションを契機に、非常に大きな製品世界を構築できる。だからこそ製品価値仮説の掘り下げと、それを根拠にした製品マーケティングは、すなわち共感のマーケティングだと言える。
・よって、多数を一気に獲得するような方法は機能せず、少数だけどすごく気に入ってくれる人達が自然にその製品を広めてくれるような方法。好きな人を採用し、好きではない人を採用しないような「引き算の」マーケティングが適している。